『質問の仕方が悪い』
『変な質問をするな!』
昨今、質問に関して『質問力』という言葉が世に出てきてますね。
『質問力』……つまり、『物事を尋ねる力』です。
なんかいまいちピンと来ない人もいるかと思います。
私もビジネス書で読んでいた時は、よくわかってなかったのですが、最近になって意味が分かってきました。
というのも『質問される側』になった時に気づいたんですね。
自分のバカさ加減も知りました。
今まで大変失礼な事ばかり周りにしてきたんだな、と。
(質問に答えて頂いた皆様にこの場を借りて感謝)
『なんで今聞くの?』とか『答えが出てるんだけど分からないのか!?』とか。
あまり書けば『横柄な奴』と捉われるかもしれませんが、本当にそんな時って経験ありませんか?
私が最近体験した質問力の事案を元に、考えていきたいと思います。
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プロの歌手相手にアマチュアの人が質問しました
私の後輩にプロ演歌歌手の『加宮佑唏』という方がいます。
この人と、私と、私が加宮さんに紹介した知人のBさんでご飯を食べました。
Bさんは歌手志望で、加宮さんに対して質問がありました。
色々と質問していましたが、後日になって再度私の所に質問が来ました。
『ボイトレのスタジオを教えてください。加宮さんに聞いてみてください』
と、尋ねられたんですね。
その質問で、頭の中がまず『???』になりました。
というのも、なんの為に『ボイトレのスタジオ』を聞いているのか全く分からない。
Bさんは演歌歌手志望じゃなくて、歌謡曲を歌いたい人です。
畑は少し違いますが、同じ歌手として『スタジオ』について知りたいのは分かります。
しかし、話の前後関係が全くないんですね。
私は再度問いかけました。
『ボイトレのスタジオが知りたい? 演歌のボイトレのスタジオですか? 普通のスタジオですか??』
『うーん、とにかくボイトレのスタジオが知りたいんです』
(↑ほぼこの文章でラインで1行)
正直、イラっと来ました。
こっちがなぜ具体的に聞き直さないといけないの?(笑)
私はとにかく、加宮さんはヒマ人ニートじゃないんですよ。
人に物をお願いする態度ではないですし、親しい友達だと思って聞いてんのかな?と。
脈絡も何もなくていきなり一言でぶっこんでくるのは、SNS時代の現代の特徴だと思っています。
『もう少し具体的に教えてくれませんか?』
『ボイトレしたいから、スタジオが知りたいんです!』
もう論外です。
しかし、本人の為だと思って、私はスナックで営業中の加宮さんに、すぐに電話しました。
『もしもし!いちたさん!どうしたんですか?!』
『営業中だよね。ごめん、今からバカな事聞くけど……』
加宮さんはとてもいい人なので『えっと……ちょっと分かりかねるんですけど、演歌のスタジオが知りたいんですか?あの人は歌謡曲志望じゃ…?』と、丁寧に答えてくれます。
しかし、途中で『うーん、ちょっとわからないですね…演歌なら教えられるんですけど…』と閉口してしまいました。
当たり前だ!(怒)
と、私は速攻でBさんに電話。
10代のまだ世の中を知らない子供なら、とにかく。
30歳過ぎてそれはヤバい、とガチ説教です。
こんなに人を怒ったのは、数年ぶりレベルでした。
説教出来る身分でもないですが、これはどう考えても100対0でBさんに非があります。
質問力を分解して考えてみる
先ほどの質問の何がまずいのか?
全部まずいだろう、と言う前に、大事なことがあると思います。
(全部まずいけどね)
『質問力』というのは……。
まず第一に『相手を敬う心』が必要だと思います。
へりくだり過ぎる必要もないですが、相手は自分の為に『時間を割いて』お話を聞いてくれるわけですよね?
世の中にコンサルティングという仕事がありますが、お金を頂いて人様からの質問・疑問を解決する方たちがいます。
質問をする、というのは、『あなたの時間を私に分けて、私の為に答えて下さい』ということです。
世の中、それでお金が頂けるレベルの質問に対する解答がある訳です。
当たり前ですが、簡単に答えてくれないのが、世の中で大半ですよ。
カイジの利根川先生の名言。
「大人は質問に答えたりなんかしない」
プロの演歌歌手で今現在、太陽が昇るかのごとき勢いの若手演歌歌手『加宮佑唏』君に質問出来るって、出来無いです。
出来ません。
なぜなら、彼は半年先のスケジュールまでビッシリ埋まっていて、普通に友達でも遊ぶことが難しいレベルに多忙です。
でも、Bさんがどうしても、というのでお願いして時間を取って貰って、二人を引き合わせました。
その中で色々聞いたはずなのに、なんでボイトレのスタジオの話で、しかもよく固まってないをぶつけられるのか??
『相手を舐めてる』と思われてもしょうがないですよ。
だからこそ、質問力が問われるはずなんです。
ちょっと考えたら分かりますが、プロの演歌歌手に聞くべき事って、例えば。
『喉のケアとかどうされてるんですか?』とか
『実際に営業を回る際に気を付けていることってありますか?』
のような、プロしか答えられないことを聞くべきじゃないですか?
テレビのリポーターの質問力が低いと揶揄されるのは、敬う心が全く見られないから。
もちろん『歌い方にコツはありますか?』というような質問でもいいでしょうが、もう少し考えたら。
みたいな、具体的な内容になりませんか?
今私が適当に合わせた質問なので、これでも全然甘いです。
しかし、プロ歌手という立場の方に聞くなら、踏み入った話に絶対になるはずなんです。
Q.『スタジオどこが良いですか?』
A.『ググれカス』
と、ひと昔前ならこれで終わってました。
質問一つでその人が本気かどうかわかる
このように、質問一つでその人が『しっかり自分を敬って考えてくれたのかどうか』が分かりますね。
私たちは日々、分からない事だらけです。
その度に、人様に聞くことなんて日常茶飯事です。
だからこそ、質問は出来るだけ具体的にすべきなのは間違いありません。
先ほどの例でいえば。
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ボイストレーニングの件、以前にお話を伺いました。
私の歌謡曲を練習するようなスタジオを、加宮さんがご存知ならぜひ教えて頂きたいです。
もし歌謡曲は知らないとおっしゃるのなら、演歌系でも構いません。
加宮さんがどうやってボイストレーニングをしているのか再確認したいので、どうぞよろしくお願いします。
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これが正解かどうかはわかりませんが、ラインで1行で聞くよりは良いでしょう。
まじめに相手の事を考えたらきちんとするはずなんです。
私も散々やらかしてきた人間なので、本当に恥ずかしい事をしていた、と今は不明を恥じています。
人のフリみて我がフリを治さないと。
人に質問をする際には、相手を敬う気持ちを見せることに気をつけましょう。