私はクリエイターとして、言ってはいけないことを書くかもしれません。
『この作品はパクリだ!』
と、世の中ではパクリ論争がずーっと勃発しています。
特に『オレンジ●ンジ』みたいなミュージシャンは、かなり酷似している作品が多いので一時期叩かれていました。
私は『パクリ論争』っていうのは、『程度の問題』だとずーっと思っているんです。
『いちたはパクり作家なのか!?』とか、そう思われるかもしれませんが、正直な事を書きます。
『世の中のクリエイター、全員何かしらパクってる説』
パクってるという言葉が悪いんです。
参考にしている、ということです。
例えば『進撃の巨人』、超売れてますよね。
あの作者の諌山さんは『マブラヴ オルタネイティヴ』を参考にしていると公言しています。
それについて『パクり漫画家が!!』なんて、厳しく追及する人は少ないです。
なぜなら、参考にしてるのが『設定』とかであり、別に登場人物の名前から何からパクってるわけじゃないからです。
あくまでも『巨人を●●メートル級』という表現をしたり、物語の冒頭で泣いていたり、と、一部分をリスペクトした上で使っているだけですね。
私が伝えたいのは『きちんとパクること』(参考にすること)って、クリエイターとして絶対に上達するテクニックだということです。
この記事で書く パクる=参考にする、という言葉の意味です。
パクってる=参考にしていると捉えて下さい。
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パクりの重要性
当たり前ですが、私たちはこの世に生まれてから人が作った料理を食べて、人が作った物で遊びます。
ゲームや漫画が最たる例で、それを読んで『自分もこういう作品が書きたい!』と思って、創作活動に入ります。
で、その際に『●●先生の作品を元に、違う世界観で書きたい』と思えば書いていいんですよ。
それが1から10まで、酷似しているならダメですが、例えば。
これだけで、『ブラッククローバー』、『ナルト』、『キングダム』の3つの作品が今私の頭に浮かびました。
これがパクリって言えるのか?
言えないでしょう。
この設定で浮かんだのを3つだけ書きましたが、大昔から似たような成り上がりな話なんてクソほどあります。
ヤンキーマンガとかも意外とこういう展開だったりするわけです。
今大人気の、異世界転生系なんてどうするんですか?
全部似たりよったりすぎて、個人的にはそういうものに興味が全く惹かれません。
(おっさんだからでしょう)
しかし、それが人気が出ているのならパクって参考にするのは全然アリです。
ゲームに入りこんじゃう系のSAOとかを読んで、若いクリエイターが出てくることは歓迎されているはずです。
絵でも小説でも、クリエイティブな事はまず模倣から入る。
模倣から入って、そこから自分なりに改変をしていく。
その方が上達の近道になると思っています。
世の中の作品は組み合わせで出来ている
これは、私が数年前どこかで見た理論で、ものすっごくしっくりいきました。
以来、どんな物を作るにしてもこの理論をベースに、作品を作っています。
結果として、最終選考等に残ったり、人から面白いと言われていますし、何より『自分が面白い』と思っている作品を書いているので正解だと私は信じています。
その理論は、至極簡単なんです。
世の中の作品は、全て既存の『A』やら『B』やら『C』の組み合わせで出来ています。
実際に並べてみます。
・ドラえもん
夢を叶える道具×未来のロボット
・名探偵コナン
推理×少年
・ナルト
王道バトル×忍者
・幽遊白書
能力系バトル×妖怪×学生
・スラムダンク
バスケ×不良
・進撃の巨人
化け物×人類の存亡
・ターミネーター
未来のロボット×ディストピア
・マトリックス
仮想現実×ディストピア
・魔法少女まどか☆マギカ
ループ×魔法少女
・セーラームーン
JK×魔法少女
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今、ざーっと書きましたけど、このように『作品』を構成している要素を全て分解してみてください。
必ず、キーワードとなる『ネタ元』が見つかります。
じゃあ、今これだけしか書いてませんが、要素を組み合わせましょう。
魔法少女×未来
夢を叶える道具×能力系バトル
こういう風に組み合わせると、もうそれだけでさーっとネタのアイディアが浮かんできませんか?
多分『あ……』と思うのが出てくるはずなんです。
ちなみに私は、上のだけで言えば『未来のロボット×不良×ループ』とかで一瞬『あっ』と浮かびました。
それを書けば長くなるので、割愛します(笑)
このようにですね、どの作品もネタ×ネタで出来上がっていて、総じてこれをパクりと言えばパクりになるんですよ。
ただ、組み合わさってるから分からないだけなんです。
コナン君なんて堂々とキャラクター名が推理作家で、パクってるようなものですが、完全にオリジナリティに溢れていますよね。
それは作者の青山剛昌先生の乗っかっている独創性がハンパないからです。
ちなみに青山剛昌先生の『YAIBA』の方が私は好きなのですが、あれも良く考えたら少年の冒険物漫画です。
剣術に玉を入れる(能力)×和風なバトル
どっちをとっても、それパクりですよ。
そもそも、能力系バトルは山田風太郎先生の『甲賀忍法帖』が一番始祖と言われています。ジョジョじゃないよ。
今じゃパチスロバジリスクが大人気ですが、あの作品を知っている若い世代は『なんだ、また能力物かw』と思っているかもしれません。
(知り合いに最近そう言われたのでビックリしました)
違う違う、そいつが本物のルパンだー!
みたいなもんです。
でも、YAIBAは凄く面白い。
組み合わせてるネタ元が分かってるのに、面白いって、料理してる作家の腕が凄いからです。
私はパクってませんという作家ほど終わってる
私は正直に言わないのが嫌いです。
例えば『これは私の完全オリジナルで、一切何も観て書いてません!』という人がいるなら、あなたは生まれてこの方、何のマンガも小説も読んだこと無いんですね?と問いたい。
おかしいです。
日本は義務教育があるので、国語で嫌でも文章を読まされるはずです。
そういう背景があるのにも関わらず、やたらと『何も参考にしていない!』という人がいます。
そういう作家や漫画家ほど終わっている物はない。
その証拠に、優れている作家ほど『●●先生の作品には凄く感銘を受けました』とインタビューで言っています。
恥ずかしながら、私の事を書かせていただきます。
私はハッキリと『●●先生を参考にしている』と常日頃から公言しています。
拙著の最終選考作品である『モバイバル・コード』という作品は、『池袋ウエストゲートパーク×携帯電話×ミステリー×氷室京介』で出来ています。
なぜなら、好きだから。
好きだからリスペクトをかねて、舞台を池袋から上野に切り替えたりしています。
しかし、内容について『パクってる!』と言われた事は一度もないです。
当たり前です。
何個も重なってるから分かる訳ないです。
ましてミステリーの核となる部分は、かなりオリジナルにしてるつもりなので。
(実際読めば、きっとどこかのトリックと被ってると思いますが…w)
ただ、主人公に龍一っていますが、その時、ちょうど『くにお君』のゲームをやっていたんですね。
『れいほう学園』を使っていたので竜一じゃなくて龍一にしたんです(笑)
他には氷室京介さんの曲を聴きながら書いていたので、3、4のシーンはPVの映像をそのまま書いたりしています。
それくらい氷室さんが好き&その世界観で書いているんです。
私はあの作品のテーマ曲は勝手に氷室京介さんの『BANG THA BEAT』だと決めています。
他の作品もそうですが、やはりイメージとなる作品があります。
それを元に、要素を崩して崩して分解させて、かつ自分が書きたいように再構築して書いています。
優れた作家ほど他人の作品をよく読む、という事をプロ作家に学んで以来、私も真似しようと思っているのです。
近年のパクリ元問題を知っていますか?
先ほどから『パクる事は正義』と書いていますが、ぶっちゃけパクり元にもよります。
それはですね、どこかの編集者の記事で書いてあって納得したのと、プロ作家に言われた事なのですが。
『最近の若い人って、漫画やゲームを参考に創作しているから浅いよね』という言葉。
これ、どういう意味かって。
パクって作った作家から、更にパクってるという意味なんです。
ナルトを読んだ人が、忍者の作品を書きました、みたいな。
岸本斉史先生のナルトは、岸本斉史先生が憧れているドラゴンボールの要素なども入っています。
(そもそもバトル物はそういうノリになりますが)
そのナルトを読んだ人が、こういう作品を書きたい!と思うと劣化の劣化の劣化の、という風にドンドン下がるのは当たり前の話なんですね。
(※ナルトが劣化作品という意味ではありませんよ)
だから、優れた漫画家や作家になるほど、同業者の作品なんて参考にしないんです。
その証拠に、作家は映画を観ている事が凄く多いです。
映画から着想を得たり、絵画から着想を得たり、全く違う分野から着想を得ます。
ですから、最近ヒットしてる漫画とか小説とかを模倣したいのであれば、もう一つ違う要素を『他』から絶対引っ張らないと浅くなると言いたいわけですね。
例えば異世界転生にしても、
この●●●には、全く日の目のみない分野を、着想のヒントに入れるべきだと思います。
一言でいうなら『漫画やテレビじゃなくて、映画からパクって要素を抜いてぶち込んで来い!』という事です。
まとめ『オリジナルを超えればいい』
作家として、おそらく全員が喜ぶことが一つある。
『あなたの作品が大好きです。リスペクトして参考にさせて頂きました』
私はこう言われたら、泣いて喜びます。
自分も幼い時に、ドラゴンボールやドラえもんを見て育った世代です。
もし、万が一、そういうお世話になった先生に会う事があれば、いう台詞は決まっています。
目の前に鳥山明先生や、COBRAの寺沢武一先生がいたら
『愛しています』と。
(気持ち悪い(笑)
それくらい、クリエイターの一太として、強烈な物を残してくれたものがあります。
ドラゴンボールCOBRAや、私が夢中になっていて読んだ漫画や小説の数々です。
だからこそ、参考にすべき所は参考にして、オリジナルを超えるような作品へと昇華させないといけない。
COBRAのような一匹オオカミが大好き過ぎて、サイコガンまで持っている私にとっては、COBRAを超えるカッコいい男の主人公がどうしても作りたい。
それに近づけるように、COBRAを読んで『ここがカッコいいのか!』という描写を模倣する所から始まると思っています。
もちろんそこには、全パクリなんて事はあり得ませんが。
例えばCOBRAのトレードマークの葉巻、くらいはパクってもいい。
(逆に、右腕にサイコガンっぽいものを付けたらやりすぎだと思う(笑)
葉巻咥えてる漫画なんてどこにでもあるし、キューバの英雄ゲバラの方が葉巻ブームでは最初です。
という風に、色んな方の作品を参考にして自分なりに頑張っていきましょう。