『素人が調理をしてはいけない魚料理』
と、聞くとあなたはどんな料理を想像しますか?
だいたいの人がフグ料理を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。
フグ毒の強さはなんと青酸カリの850倍ほど!
たった2ミリグラムを摂取しただけで死に至るといわれています。
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フグの調理には免許が必要!
正しく調理しないと大変危険な料理です。
毒が体内にもし入ってしまったらどうなるか?
経過は非常に早く、食べてから死亡までの時間はだいたい4から6時間ほど。
フグ料理は滅多に食べられるものではないですが、せっかく食べるのなら素人ではなく、専門の知識を持つ調理人にしっかり毒を取り除いてもらってから食べたいですね。
ちなみにこの毒。
実はフグの体内で作られたものではないという事を知っていましたか?
フグの毒は体内で作られたわけではない
フグ毒『テトロドトキシン』は、毒を持ったえさを食べてしまうことで、フグ自身もその毒に感染し、その結果として毒を持つフグとなってしまうのです。
つまり、生まれたばかりのフグを水槽で飼えば、全くの無毒のフグを育成することが出来るということですね。
では毒を持ったえさとは何でしょう?
野生のフグはハナムシロガイやヒトデをえさとしますが、これらの生物は細菌から感染した毒を体内に持っています。
フグはなぜ毒のある生物を食べても何ともないのか?
それはいまだに解明されていませんが、不思議なことになぜかフグはその毒を体内に濃縮させて貯めておけるのです。
結果として『フグは毒のある生き物』とされているのですね。
フグ料理はとても魅力のあるものですが、きちんと専門の知識を持つプロの人が調理しないと、命を落とすことがあることを忘れてはいけません。
またテトロドトキシンは厄介なことに、300度の高熱で加熱しても毒素が分解されることはないので、自分で釣ってきたフグや、人からもらったフグを素人判断で調理することは非常に危険ですね。
ちなみに。
もしもフグ毒『テトロドトキシン』が体内に入ってしまった場合はどうすればいいのか、体には一体どんな症状が出るのでしょう?
フグ毒の『テトロドトキシン』は怖い!解毒剤なし!?フグ中毒と対処法!
最近ではプロの人が調理をしているお店ではなくても、あらかじめ有毒部位を除いたフグが店頭でも売られているので、家庭でも安全に楽しめることが多いですね。
「でもやっぱりフグを食べるのは怖い!」
そう思う人もいるのではないでしょうか。
フグ=毒のイメージが強く、実は一度も食べたことがありません!という人もいるのではないでしょうか。
フグの毒による中毒症状は一体どんなものがあるのでしょう?
気になったので調べてみました。
まず、発病するのは食後20分から3時間です。
●第1段階
口唇部及び舌端に軽い痺れが現れる。指先に痺れが起きる。
歩行がおぼつかなくなり、頭痛や腹痛を伴うことがある。
●第2段階
不完全運動麻痺、嘔吐後の運動不能になり、知覚麻痺、言語障害や呼吸困難を感じるようになり、血圧も低下する。
●第3段階
全身の完全麻痺。骨格筋の弛緩。発声はできるが言葉にならない。
●第4段階
フグ中毒では意識が死の直前まで明確だそうですが、この臨終期には混濁が激しくなり意識消失、呼吸停止、心臓停止により死亡する。
一緒にフグ料理を食べていた人が急にろれつが回らないようになり、歩行もふらついているようだったらそれは間違いなく『ふぐ毒に当たっている』と思って良いでしょう。
実は、今現在もフグ毒の解毒方法は見つかっていません。
ワクチンや血清もありませんから、大変恐ろしい毒素ですね。
最も有効だとされている処置は、消化が進む前に一刻も早く自ら嘔吐すること。
自ら嘔吐できなかった場合でも、救急車が来るまでの間に人工呼吸などで呼吸を確保するといった処置が施されれば救命できる可能性が高まります。
うーん、やはり食べる時は気を付けないといけませんね。
フグはなかなか口にできない高級魚の代表であり、和食界の高級食材とも呼ばれるほど。
毒の危険があっても古くから日本の人々に親しまれてきた海の幸のひとつです。
冬に食べるフグ鍋は正しい調理方法で、特別な日のごちそうを味わってみてはいかがでしょうか?