羽を持たない蜘蛛がどうやって空を飛んで移動するか知っていますか?
親蜘蛛は卵を糸に包み、温かい巣のようなものを作ります。
赤ちゃん蜘蛛はその中で孵化し、脱皮をして一回り大きくなってから卵の中から出てきます。
『蜘蛛の子を散らす』という言葉があるように、卵の中からは一度に数百という子蜘蛛がわんさかと溢れ出てくるんですよ。
蜘蛛が苦手な人はその光景を思い浮かべるだけでぞっとしてしまうのではないでしょうか?
(私もかなり苦手だったりします…)
卵から出てきたあと、子蜘蛛は実は空を飛んで移動しているんですね。
でも蜘蛛には羽がありません。
それでも空を飛ぶことは可能なのでしょうか?
秘密は『糸』にありました。
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蜘蛛の糸はパラシュートの役割をして飛べる!?
多くの子蜘蛛は卵から出てくると空に向かって糸を吐き出します。
すると糸は風に吹かれて、子蜘蛛たちはふわ~っと空高く舞い上がり、風に身を任せて旅をするのです。
なんだかパラシュートみたいですね。
中には地上3000メートルや、数千キロ移動する子蜘蛛もいるようですよ。
完全に風任せとなりますから、もちろん蜘蛛自身にも行き先はわかりません。
航空機から発見されたり、太平洋のど真ん中の船上にたどり着いた子蜘蛛が確認された話もあるそうですよ。
ちなみにこの現象は『バルーニング』と呼ばれています。
他にも、山形県米沢盆地ではもうすぐ雪が降る頃になってよく見られることから『雪迎え』と呼ぶのだそう。
晩秋の小春日和の日、きらきら光る糸をつけた子蜘蛛が風にゆられて長い距離を旅をする…。
どこに行き着くかはわからないけれど、ようやく行き着いた先で一生懸命巣を作っていよいよ生活を開始出来るのです。
空の旅は当然リスクもありますから蜘蛛にとっては命がけです。
適した場所へと無事に着陸出来る子は決して多くはないでしょう。
なんだかちょっと蜘蛛を応援したくなりますね。
(苦手ではありますが…)
主にバルーニングは体重の軽い子蜘蛛のみに限られるが、小型の蜘蛛の中には成虫でも飛行することがあるようです。
なるほど。
風に乗って空中を飛んで移動するから、例えば高い建物の最上階でも「一体どこから蜘蛛が入ってきたんだろう?」と驚くことがあるのですね。
他にも、きちんと扉を閉めているのにいつの間にか家に蜘蛛が巣を張っていた…なんてこともあるのではないでしょうか?
小さな子蜘蛛だからこそ窓を閉め切っていても、小さな網戸のほつれや換気扇などなど…色々な隙間から家の中に入ることが出来るのでしょう。
ついでにどういった家に蜘蛛が住み着きやすいのかも調べてみました。
退治していい蜘蛛と殺さないほうがいい蜘蛛!
タランチュラやセアカゴケグモなど一部の毒蜘蛛を除いては、蜘蛛は人間にとっては無害な存在です。
それどころか『益虫』といってダニやハエ、ゴキブリなども食べてくれます。
ですが、蜘蛛が苦手な人って多いですよね?
蜘蛛が嫌いな人ではなくても、家の中に立派な巣を張り巡らされてしまったら見た目的にも汚いですしあまり良いものではありません。
なぜか家に蜘蛛がたくさん出る、いつも部屋の同じところに巣が張られてしまう…など、蜘蛛に関する悩みを持つ人達の家には共通点がありました。
それは…
『えさになるものがたくさんある』ということ。
先ほど挙げた通り、蜘蛛は益虫です。
あなたの家に蜘蛛が多く出るということはそれだけえさとなるダニやハエ…そしてゴキブリといった害虫が多くいるということですね。
ゴキブリは食べかすや生ゴミが大好き。
蜘蛛がどうしても嫌!という人は、まず害虫が出現しないように部屋をきれいにする必要がありますね(笑)
他にも、いつの間にか蜘蛛の巣が出来ていた!蜘蛛の巣を取ったはずのところにまた蜘蛛の巣が出来ている!
朝見た時は出来てなかったはずなのにおかしいなぁ…。
そう思ったことのある人は多いのではないでしょうか?
蜘蛛はたった数十分ほどの時間で巣を完成させてしまうんです。
それに蜘蛛はきちんと自分にとって住み心地の良い場所に巣を張っています。
だから巣を取り払ったとしても、そこが蜘蛛にとって居心地の良い場所であるならまた同じところに巣を作られてしまうのですね。
そんな時は、蜘蛛の巣専用のスプレーを使うのも良いでしょう。
ただし、もう一度言いますが蜘蛛は益虫。
一部の毒蜘蛛を除いて人間にとって特に悪さをするわけではありません。
昔の人はよく
「朝の蜘蛛は天国からの使者でとても縁起が良い」
と言っていたようですね。
大きなアシダカグモは家の守り神と言われることもあるそうです。
バルーニングをして空を飛んでやってくる蜘蛛は天からの遣わしもの…
あまり住み着いて欲しくはありませんが、不必要に怖がることもありません。
どうしても家に蜘蛛がいるのは嫌だ!絶対に共存できない!という人も、家の中で蜘蛛を見つけたらすぐ殺虫剤を噴きかけるのでなく、そっとティッシュに包んで外に逃がしてあげるのもいいかもしれませんね。